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図書館四方山話その22

 今日は答案返却日でしたね。1学期も残すところあと1週間となりました。夏休みに読む本は借りたでしょうか?

 普段なかなか読めない人も、夏休みにはぜひ読書をしてくださいね!校長先生も「読書をしましょう」と、よくお話されていますが、中高生時代の読書は、その先の人生の歩き方に影響してくることもあるほど大切なことであるとご承知なのだと思います。

 また、読書はその人の生き方や考え方を深く掘り下げたり、広く見渡したりするための力になります。世の中にはいろいろな本があり、それぞれの良さがあると思います。でもその中でも本当の力になるのは、今すぐ役に立たなくても、今すぐにわからなくても、心の中に深く沈んで蓄えられて時間をかけて自分のものになっていく本かなと思います。

 「一冊一冊の本のあらすじを覚えていなくてもよい、忘れてよいのだ、忘れたからといってその本を読まなかったのと同じではない、忘れてもその本は自分の奥底で自分のものとなっている。」・・・まあこれは司書の持論なのですが、独りよがりな考えかと思い、人には言わなかったのです。が、数年前に作家の椋鳩十さんの講演集の中に似たような文章を見つけ、嬉しくなり、意を強くしました。

 「本なんていつでも読める」と言って、今しか体験できないことを優先するのだと言う人がいます。でも、デキる人は本も読んでいるものです。みんな持っている時間は平等です。意識の持ち方に違いがあるのですね。忙しい人ほど、時間の使い方が上手な気がします。図書館に通って読書を続けていた卒業生たちを見ていて、気づいたことです。

 さて、もう一つだけ聞いてください。夏休みに読む本の中に一冊、いわゆる時の洗礼を受け長年読み継がれている「名作」を入れてください。言葉は日々新しく生まれ、日本語も時とともに変わっていきますが、長く人々に愛されてきた文豪が紡いだ言葉の豊かさをぜひ味わってほしいと思うからです。教科書で出合った文豪作品の出典でもいいし、他の作品でもいいです。図書館に来れば「名作ブックリスト」もあります。時代背景が違っても、同じ日本人として通じ合える心がある、ということも卒業生から教わりました。

 蛇足ですが・・・いつも職業柄新しい本をチェックしたり目を通したりすることが多いのですが、時折、夏目漱石の作品を読み返します。すると、自分の中の日本語がすーっと整う感覚があります。作家の古井由吉さんがご存命の頃新聞のコラムで同じことを書かれていて、それを読んだ時は、思わず飛び上がって叫びました。私と同じ感覚の人がいると、これもまた嬉しく意を強くしたことです。(あいにく新聞記事を後で切り抜こうと思ったまま忘れてしまい、探しても見つからなかったのですが・・・)

 ちなみに、今読んでいる本の中の一冊は『硝子戸の中』という夏目漱石の随筆集です。

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